LIFE LOG(ホネのひろいば)

【年上・年下とうまくつきあう方法】コミュニケーションの基本を教えます!

 

年齢差のある人とのコミュニケーション

人とのコミュニケーションで、特に年齢差のあるケースに苦手意識を持つ人は少なくありません。

学生時代は、ほぼ同じくらいの年代の人と過ごしていますが、社会に出るとその幅は一気に広がります。もう自分に近い年齢層の方との付き合いだけでは済みません。

安住の地から大海に放り出される感覚。

なんとなく戸惑ってしまう方が多いのも、仕方がないことかもしれません。

 

僕のやっている仕事、カメラマンは、特にいろんな年代の人と仕事をする機会が多い。

下は10代の新人タレントから、上は大ベテランのプロデューサーまで様々で、あらゆる年代の方と関わります。

グラビアなど芸能に関わる仕事なんかやっていると、うんと年の離れた若い女性との関わりがとても多い。

 

今回は、仕事上の経験からの話になりますが、僕なりにコミュニケーションで気をつけてきたこと、コツみたいなものをお話しようと思います。

 

僕のキャリア初期に、今もバラエティー番組で活躍する井森美幸さんが歌を出していて、僕がレコードジャケットを撮っていたんです。

当時、彼女は、まだ10代でした。たしか16歳だったと思います。

それから、とんねるず秋元康の流れで、おニャンコクラブ うしろゆびさされ組など、現役高校生達と仕事をする機会が多かった。

新人女優さんのDVDをつくるということで海外ロケに行ったりもしました。

雑誌のグラビアでも、ほとんどが自分よりもずっと若い女の子がモデルさんだったりします。

 

年下とのコミュニケーションは、まず話を聞く

簡単に言ってしまうと、「年下の女性は、年上のように扱う」です。

つまり子ども扱いしないこと。

 

たとえば12歳の新人女優さんと海外ロケに行ったときのことです。

入れ替わりで、12歳から16歳までの4人を撮ったんですが、とにかく全員、どの子も大人の女性として扱いました。

考えてみると、女優さんとして、タレントとして、仕事をしにそこに来ている。

12歳の子だって、親が一緒にいるわけじゃないんです。もちろん所属事務所のマネージャーさんはいるわけですが、とにかく一人の人として、仕事をしに来ているという前提で関わります。

誤解されそうですが、わかりやすく言うと、チャンスがあれば口説いてやれくらいの気持ちで大人の女性として接していました。

 

だから、撮影のときも「可愛いね~~」みたいな盛り上げ方はしない。

顔が小さいね~とか、足が長いね~とか、身体的な美点もそこそこでいい。

そういうのって本人の責任じゃないんです。だからあまりそういった部分ばかりを褒めても、心の中は妙に醒めてたりするんじゃないでしょうか?

そういうのって、自分が子供だった頃に考えていたことを思い出してみれば、なんとなく察しがつくことじゃないでしょうか。

 

とにかく子供子供した扱いは一切しない。

じゃあ、どうするのか。

そんなに難しいことはありません。話を聞くんです。撮影の合間の移動中や食事のときなど。とにかくその人にちゃんと興味を持って話を聞きます。

「あなたは何を考えているの?」と、いろんなことを引き出します。

もう、話すのが快感になっちゃうぐらい聞きますよ。

そして僕に興味を持ってもらえるような話をしたりもします。

「僕はこんなことを考えています」ってね。

つまり話のキャッチボールを積み重ねるんですよ。

だんだん信頼関係の様なものが築かれていくんです。

 

ロケ2日目の夕食のときだったか、その12歳の子が僕に、かなり踏み込んだ家庭の話をしだしたんです。

僕は、じっくり話を聞き、思ったことを大人に話すように答えました。

子供には、もっとオブラートに包んで話す方がいいのかもしれない。

でも、そんな立ち入った話をするって、それなりに考えてのことだったはずです。

僕は、やはり大人の女性と話すように会話のキャッチボールを続けました。

 

その最後に、本当にいい笑顔で「そだね!」と彼女は言いました。

 

少し硬かった表情はすっかり和らいで、翌日の撮影では、明らかに彼女との距離感が変わりました。

親密さが増したというか、自分からどんどん話してくれるようになりました。

それまでは、マネージャーの陰に隠れているようなところがあったので、とても大きな変化です。

 

考えてみてください。

自分自身の、たとえば中学時代はどうでしかたか?

僕なんか子ども扱いする大人は、敵に見えてましたよ。

その子は、12歳かもしれない。

でも、仕事で海外に来ているんです。

不安いっぱいあったはずです。でも、いろいろな壁を乗り越えてここにいるはずです。

年齢は問わず、その人の人生を尊重する。

であれば、おのずと、どう扱うのがいいかは、わかるものです。

 

これって、実は人と知り合うとき、誰もが普通にやっている当たり前のことなんですよ。

仕事で一緒になった“縁”なわけです。

だから、この人はどんな人なんだろう?って、ちゃんと興味を持って接する。

そんな中で、少しずつ関係が築かれてゆく。

撮影は、ほんの数日間のことかもしれない。

でも、普通に人と知り合うように丁寧に関係を積み上げる。

 

興味を持って接することから

コミュニケーションの基本って、どんな場合にも変わらない原則のようなものがあるように思います。それが「興味を持って接する」ということです。

これは、年下の男性に対しても同じです。

 

年の離れた女性とお付き合いしているとき、「話し、合うの?」と友人からよく言われます。

ありがちな問いかけですが、年齢が高いとか低いとかを大きな問題だと感じたことはありません。

相手は自分ではないのだから、自分とは違うものを見てきている。

つまり、自分ではない存在への興味。

そこが、そもそも仲良くなるきっかけだったりしませんか?

 

ジェネレーションギャップは、あって当たり前です。

だってジェネレーションは違うのだから。

問題はそこじゃない。

自分じゃない存在への興味が勝っているなら、世代の相違だって興味の対象です。

 

どんな人生を歩いてきたの?

どんな夢を持っているの?

どこに向かっていきたいの?

 

相性も、個々の問題であって、年齢差とは関係ありません。

問題があるとすれば、年上風を吹かせて、つい上から目線で接してしまう年長者側の姿勢かもしれません。

 

とにかく年下の男性は、若造扱いしない。

年下の女性は、小娘扱いしない。

これに尽きると思います。

 

年上は、男性と女性で事情が違う

相手の方が、年上の場合はどうでしょう。

これは、相手が男性か女性かでちょっと事情が違います。

 

僕は男なので、年上の女性は簡単です。

簡単というのは、ちょっと語弊がありますが、ひとまず置いておきます。

まずは、男性の場合からお話します。

 

年上の男性は、けっこう難しい面があります。

 

男同士は、敵対してしまうというか、

対抗意識のような感情がコミュニケーションの邪魔をします。

ちょっとだけデリケートな関係かもしれません。

 

たとえば中学生くらいの女の子同士って、仲良しなら手を繋いでトイレに行ったりしませんか?

わりと気軽にボディータッチをしたりするイメージがあります。

男同士だと、ほぼ、それはない。

男が男の肌に触れるって、殴るときくらいしか思い浮かびません。

極端な話だけど、テリトリーの意識というか、本能的なものが根底にあるような気がします。

 

僕はムービーのカメラマンの仕事もしてきました。

初めてムービー撮影の現場を踏んだのは、25歳のときでした。

大勢のスタッフ。全員が年上です。

仕事によっては、クレーンに乗ることもあります。

特機さんといって、クレーンや移動車などの特殊機材を担当する会社があって、

ベテランのオペレーターになると、「俺は石原裕次郎の映画でクレーンを振ってた」なんて人もいる。

そういう方にも、動きの指示をしなければなりません。

 

照明技師さんも、自分からすれば大先輩という方がばかり。

それと、ムービーの場合は、カメラアシスタントもフリーランスの方を雇います。

1stアシスタントは、露出計測や距離の管理(ピント送りの操作なども)を担当し、

2stアシスタントは、フイルム交換や管理、バッテリー管理などを担当します。

カメラマンからすると、コミュニケーションを密にチームで動く重要なスタッフ。

初現場のときは、アシスタントの方も10歳くらい年上でした。

さぁ~大変。

カメラマンは、ディレクターの直下で、現場の頭を担っていかなければなりません。

いかがですか?

想像しただけで難しそうでしょう。

中途半端な若造の言うことを聞いてくれるでしょうか?

 

さて、僕はどう切り抜けて行ったのか!

 

駆け引きは失敗したら致命的!

取り繕わず、正直に手の内をすべて晒しました。

駆け引きは通用しないなぁ~と思いました。

だって、駆け引きで失敗したら致命的です。

 

「今日、初めての現場でわからないことだらけです。いろいろと質問することもあるかと思います。若輩者ですが、どうぞよろしく!」と、初めにきっちり挨拶です。

 

そして僕の場合、気配り目配りは凄いですよ。

現場の誰よりもマメに動いてやれって思って仕事をしてました。

 

たとえばスタジオのセットの脇などに、飲み物やお菓子が用意されている場所が設けられていたりします。

自分が一息入れるついでに、食べ散らかされたものを片付けたり、整えたり。

タバコを一服ってときには、灰皿やその周辺に飛び散らかった灰を綺麗にしたり、一服しながら掃除をします。

ただそれって、計算してやってるわけじゃないんですよ。

当たり前のことをしていただけなんです。

誰かに何かをやってもらおうじゃなくて、自分が気づいたことをなんでもやるんです。

普通、うえの人がやらないことかもしれませんが、おかまいなしです。

 

現場は、朝、おはようございますで始まって、お疲れさまで終了します。

大きい現場になると、撮影は1日では終わりません。

少なくとも、礼儀が正しくしっかり挨拶をする。そしてマメに動く。

それが出来ていれば2日目からいろいろなことがスムースに進みます。

向こうから挨拶してくれるようになります。

 

あと、これはキャラクターの問題もあるので、誰にでもお勧めの方法ではありませんが、

海辺のロケだったら、「あち~~」とか言って素っ裸になってみるとか、

いきなりオナラして、「わりいわりい、屁こいちゃった」とか、

ちょっとエキセントリックな人を演じるというか、

もうね、変人一歩手前くらいの勢いで、自由奔放に振舞ったりしてました。

本当にいろいろなことを考えて、なんとかコミュニケーションがうまくいくように

それはもう必死でした。

 

自由奔放に自分を解放しつつ、礼儀正しく挨拶はきっちり。

その上で、パフォーマンスを最大限出していく。

たとえなにか迷うことがあっても、それを悟られないように仕事をこなしていくんです。

すべて、自信を持って進めていく。

 

“まぁ、こいつなら仕方ないか”と、

若いのに責任のあるポジションに座るだけのことはあるなと感じてもらえれば、

現場は上手く回ります。

 

改めて言っておきますね。

キャラクターもあるので、変人を装うのは、誰にでもお勧めはできませんが、少なくとも礼儀正しくマメに動くということは、ぜひ実践したらいいと思います。

 

年上の女性には、早く楽をしてもらう

年上の女性の場合、シンプルに言ってしまえば、子ども扱いする。

う~ん、ちょっと語弊がありますね。

「年上の女性は、年下のように扱う」と訂正しておきます。

 

たとえば、なるべく早く下の名前で呼ぶとかやってました。

もちろん呼び捨てじゃありませんよ。さん付けです。

ちゃん付けは、ちょっと違います。

とにかく、なるべくフランクに接するようにということなんです。

なぜかというと、女性ってそもそも気遣いの人だから、

なるべく年長者として振舞わなければ、というような呪縛から解いてあげたいのです。

 

自分自身を振り返っても、実際のところ高校生時代にほぼ人格の基本は固まってるでしょ。

そこから先、たしかに知識や経験は豊富になるけれど、本質はあまり変わらないと思うんです。

変わっていくのは、体が衰えていくだけ。

ただ、大人になると立場だのが邪魔をして、本音を出しづらいようになってしまいます。

だから、なるべく早く素の自分を出してもらえるように、僕の方から先に崩していく。

 

ちょっとフランクに接してくる年下の男性。

どうですか?

もちろん程度にもよりますが、年長者として変に気を使われるよりも、楽だし、本音の話がしやすくなりませんか?

 

僕の本音は、早く油断してもらいたい。

そうじゃないと、その人の本質が見えてこないんですよ。

 

このあたりは、年上の男性も同じだと思います。

 

僕も最近では、現場で最年長ってことが多くなりました。

フランクに接してくれる若い世代の人って、僕は、悪い気はしないですね。

遠慮なくなくグイグイきてくれると、やはりちゃんと答えたくなってしまう。

 

改めてコミュニケーションとは何かを考えてみると、実は年下も、年上も変わらない。

 

基本的な礼儀ができていて、駆け引き一切なしに素の自分のさらけ出して人と接していけば

年齢関係なしに大抵のことはスムースにいくんじゃないでしょうか。

 

自分のことを信じてもらいたければ、まず相手のことを信じる。

その信じるに足る情報が欲しいから相手の話をちゃんと聞くんです。

あ~この人信じられるなぁ~と思えば、自分の心も自然と開いていくものです。

それは相手にも伝わります。

難しく考えずに。基本はとてもシンプルなものなんです。

 

誠実であることはテクニックを超越します。

これは、ぜひ覚えておいてください。

 

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【こちらはYouTubeの動画をテキスト化したものです。
元動画はこちら→https://youtu.be/cV7YL_W395Y
ブログだけの話もありますので、ぜひ両方お楽しみください。】