LIFE LOG(ホネのひろいば)

【写真のテーマ探しに悩んでる人へ】内的アプローチと外的アプローチ

 

悩める人に、思考法を伝授します

“写真のテーマが見つからない”

“テーマの絞込みをどうやったらいいのか”

 

そうした質問を受けるケースが、思いのほか多いのです。

撮影は、しているが、まとめ方に悩む。

そんな質問もありました。

 

今回は、こんな人を想定して、

内的アプローチと外的アプローチ、二通りの思考法の話をします。

 

内的アプローチ:自分自身の生活や心のあり方から答えを探す

外的アプローチ:他者のニーズ(マーケティングリサーチ

 

もしあなたが、下記の様な人で、制作の足取りが鈍っているならば、

ぜひ、やってみて欲しい思考法です。

 

・写真が最も大きなウエイトを占める趣味である

・写真で自己表現したい

・写真展をやりたい

・ブック(作品集)を充実させたい

・写真を仕事としてやっている

・仕事ではないが写真の人として認知されるレベルには到達したい

 

たとえば「季節もいいし、どこどこの滝の辺りの新緑の芽吹いた風景を撮りにいこう」

写真好きな人には、当たり前の感覚だと思いますが、

名勝地に行って風景を撮っただけでは、そこに自分自身を反映する云々ってことにはなりずらく、観光写真のようになってしまいます。

こうしたものは、ここで言うところの作品ということではありません。

写真によって社会と関わっていこうとすること。

そうした写真作品の制作を目指している。

そうした方に向けた話だとご承知ください。

 

なぜ、こんな前置きをくどくどと言うのか…

それは、継続することの難しさなのか。

実力のある方でも、どこかで足が止まってしまう。

見応えのある作品群で個展をやったような方であっても、2作目、3作目がなかなか出てこない。

そんな人が多いなぁ~と、感じているからなんです。

 

僕は、質問を受けると、まずはこのように聞いています。

「自由に使える時間はあるの?」

「仕事がお休みの日は、どう過ごしているの?」

 

本業も忙しく、時間に限りがある。

休日は、疲れた身体を癒すことも必要。

ご家庭をお持ちなら、家族サービスもあるでしょう。

そんな中に、写真制作を割り込ませるのは大変なことです。

しかし、日々が忙しいということは、それだけ多くのテーマが眠っている可能性があるんです。

 

ぜひ、それらを掘り起こして、写真制作に動き出して欲しいのです。

 

内的アプローチとは?

まずは、自分自身の日常を再検証することからです。

 

まずは、通勤時間を有効に活用します。

たとえば電車内でも、眠いなぁ~とうつらうつだったり、漠然とスマートフォンを眺めたりをやめて、写真を撮る人の視点で、目の前に起こる様々な場面をちゃんと見るようにしてください。

 

電車内の人。

窓から見える街並み。

季節の変化。

 

あまり一生懸命探すのは違うかもしれない。

ぼんやりと眺める感じでいい。

自然と目に飛び込んでくるものに、自分の気持ちがフィットするもの。案外、見つかるんじゃないでしょうか。

 

仕事そのものにも注目です。

会社の同僚や上司、部下がモデルにならないってことはないと思う。

職種にもよるかもしれませんが、その仕事に就いていなければ見れない世界ってものがあるはずです。

職場環境や仕事の道具ってのもあります。

それらと、自分の好きな写真ってものを結び付けていく。

 

僕の印象なんですが、仕事は仕事、写真は写真と、分断しているというか、

別のものとして扱っているような傾向が感じられます。

なぜそう感じるのかというと、けっこう立派な企業にお勤めの方から、

仕事の世界観を感じさせてくれるような写真を見せてもらった事がない。

もっとも写真ってものを、仕事と切り離して、いわゆる“憩いの場”という感覚の人も多いのかもしれない。

気持ちはわかるのだけど、それは、もったいないと思うんです。

 

写真作品は、「自分自身の内面や人生観が表現されるようなもの」

と思っているなら、自分の日常が作品になるとは、考えていないのかもしれないですね。

だけど、日常の中にこそ人生観を形作る秘密があると思います。

 

他にも沢山あります。

行きつけの店、そこの人間関係。家族や友人。

好きなもの、好きなこと。

カバンが好きとか、靴とかも、修理しながら長く愛用するって人も多いのでは?

 

そういうものちゃんと撮ってますか?

 

家事だって面白い。

僕は、お弁当をきっちり撮って成功をおさめた方を知っていますが、

自分の身の回りには、テーマになりうるものが沢山あると思うんです。

 

まずは、ちゃんと見つめなおしてみることを強くお勧めします。

 

外的アプローチとは?

 

単純にいえば、他者のニーズということです。

 

やることは、ビジネスの世界では当たり前に行われる

マーケティングリサーチの手法。

 

人が何を求めているのか。

何に渇いているのか。

世間の欲求を調査分析して、人が欲しがるものを創るという発想です。

 

写真って、けっこうこのやり方がハマルんじゃないかと思っています。

 

ただ勘違いしないでください。大衆迎合しろって話じゃありません。

考えを組み立てていく手法として。

これは、やり方の話なんです。

 

今、人が何を欲しがっているのか、何に渇いているのか、

そういったことを考えていく中で、自分の心のあり方に触れるものがあったとしたら、

十分作品のテーマになりうるんじゃないでしょうか。

自分の興味を他者の興味と結び付けてみる。

接点を探してみる。

そういった思考の方法は、もしテーマ探しに迷っているなら、やってみる価値は大いにあると思います。

 

人は何に心をザワつかせるのか。

自分はどうなんだ。

そもそも自分自身だって、その社会の一員です。

そうした社会と自分との接点を、制作する前段階からしっかり見つめ想定していく。

 

誰が見たがるんだろう。

見た人がどう感じるだろう。

 

表現である以上、誰かに見てもらいたいわけです。

であれば、誰が見てくれるのか、誰がお客さんになってくれるのか。

それを想定してみることは、考えをまとめていく上で、大事なことなんですよ。

「社会の求めるものを創る」と、単純に言葉通りに受け止めないでください。

 

外的アプローチで何を見つけるのか。

それはけっきょく、「自分とは何か」なんです。

 

もう一度、言います。

他者のニーズにフィットしたものを創れという話ではありません。

あくまでも考え方。考えを組み立てていく方法として、ということです。

 

内的アプローチ、外的アプローチをセットでやっていくことで

ボヤけていた自分の考えが、シャープになっていくんじゃないでしょうか。

答えがリアルになっていくんじゃないでしょうか。

 

具体的な方法をもう少し掘り下げておきましょう

 

・身近にある好きなものを撮る

服、靴、カバン、ガジェット類、アクセサリー

趣味のコレクション。

日用品だっていい。

では、どう撮るか。

プレーンな背景で、定型の撮り方に拘ってみるのか。

使用の場面で撮ってみるのか。

モノだけ? 

何かと組み合わせる?

 

・好きな人

恋人や家族?

仕事関係ならプロジェクトメンバー括りとか?

どこで、どう撮るのか。

一人を追うのか、人数の蓄積でいくのか。

スタジオなのか、相手のテリトリー(ロケーション)なのか。

 

・趣味

趣味を一緒に楽しむ人。

モノに着目する。

展示やイベントのプロセスをドキュメントする?

その歴史的な成り立ちや、ルーツを追う?

 

素直に撮ってもいいけれど、アイデアをどんどん発展させていくこともできる。

広がりは無限。

 

身の回りのモノや事象を撮ることは、

つまりセルフポートレートなんですよ。

 

「写真のテーマが見つからない? いえいえ、あなたは、すでに持ってますよ」

それが一番、僕の伝えたいことなんです。

 

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【こちらはYouTubeの動画をテキスト化したものです。
元動画はこちら→https://youtu.be/XVTEUdByBfY

ブログだけの話もありますので、ぜひ両方お楽しみください。】